やけどへの対応方法
やけどを引き起こす環境
熱を伴うものがあるところでは子どもがやけどする可能性があることを大人は認識しなければいけません。
今では少なくなりましたが、ストーブでやけどをするケースは十分考えられますし、お茶やお湯、熱いスープなどがこぼれたりすれば、やけどする可能性があります。特にポットに関するやけどは大変多いですから、注意してください。電気ポットで湯を沸かしていて、非常に高温な「湯気」に触ってしまうこともあります。
低温やけどにも注意しましょう
低温やけどは、じわじわと皮下組織にまで及び、思いのほか重症になったりします。
電気毛布・電気あんか・使い捨てカイロ等は、低温ですが長時間同じ部位にあてていると低温やけどの原因となります。
やけどの段階・程度
やけどの程度には、何段階かありますが、深さと広さで御説明したいと思います。
・やけどの深さ
・1度
「皮膚の表面のみ」のやけどです。赤くなってひりひりしますが、瘢痕(はんこん)を残すことなく治ります。強い日差しなどで日焼けをしたりするのも、一種のやけどです。
・2度
強い痛みを伴い、皮膚に水疱ができ、そこが破れて表皮がめくれることもある状態です。「赤み」や「はれ」が治まりにくく、治ってから瘢痕が残ったり、色素が白く抜けることもあります。水疱が破れると感染を起こしやすくなりますので、感染を防ぎながらの治療を行ないます。
・3度
熱が、皮膚の深いところまで届くため、血管や神経も損傷し、白っぽく固まり感覚が失われることもある状態です。
このうち
2度以上のやけどは、必ず医師の診察を受けて下さい。
・やけどの広さ
やけどは、深さのみで重症度が決まるわけではありません。全身の皮膚のうち、どの程度やけどを負ったかによっても対処が違ってくるからです。
子どもや高齢者では、体表の10%以上をやけどすると生命の危険があると判断します。たとえ1度の軽いやけどでも、広範囲に及ぶときには受診してください。
そう考えると、
夏にひどい日焼けをした場合も危険な状態になるおそれがあるということになります。
体表の面積はなかなか判断しにくいものです。そのようなときのため、大まかな目安が示されていますので、以下を参考にしてください。
1、手のひらの面積を基準にして測る方法
やけどを負った本人の手のひらは、体表面積のほぼ1%に当たると考えて患部の広さを測ります。
2、体の各部位のパーセンテージから割り出す方法
これを俗に「9の法則」(幼児は5の法則)と呼んでいます。
頭部、胸部、腹部、片腕、片足はそれぞれ体表面積の9%、股間のみ1%です。全身と患部を見比べてその広さを知ることができます。
やけどをしたときの対処・手当
手のひらより大きければ病院へ行きましょう。
やけどをしたら、とにかく水で最低でも10分は冷やしましょう。
服を着ていてもまず水をかけて、冷えてから衣類を脱がせなければいけません。つい薬を塗りたくなりますが、やけどの状態によって治療は違いますから、病院での手当の前に、自己判断で薬は塗らないようにしましょう。また衣服に皮膚がくっついている場合がありますので、無理に服を脱がせたりすると、皮膚も一緒にはがれてしまうおそれがあります。
子どもの場合、その子の手のひらより大きい範囲であれば十分大きなやけどといえますので病院で手当をしてもらいましょう。
・軽度の小さなやけど
即座に冷たい水に患部をつけて冷やして下さい。小さいやけどで軽いものなら、水道の流水で10~20分ほど冷やせば、ある程度治まります。
・広範囲の大きなやけど
広範囲で2度以上のやけどは、衣類をつけたまま流水をかけたり水に入れて冷やしまいます。慌てて衣類を脱がすと表皮がむけてしまい、感染の原因になりかねません。冷やすことが先です。
2度以上のやけどでは、流水といってもあまり強い水流だとやはり皮膚がはがれてしまうおそれがあります。蛇口から直接というより、シャワーのように水圧が分散している状態の水をかけるか、桶や浴槽にそのまま入れてしまう方が無難です。
広範囲のやけどの場合は、病院での治療が必要です。小さな子どもならなおさら緊急の手当を行いましょう。
参考URL:
瘢痕(Wikipedia)