切り傷への対応方法
切り傷はどんなときに起きるのか?
日常よくあるケガの代名詞ともいえるケガが「切り傷」ではないでしょうか?。
子どもは好奇心旺盛で、興味のある物をなんでも触ろうとします。缶切りで開けた危険なふたを触ってしまったり、紙のふちでスッと指を切ってしまったりすることもあります。家庭には包丁をはじめ、子どもにとって切り傷を作る危険な物がたくさんあります。
また、ガラスや陶器の製品を割って、破片で手指を切ることもあります。
屋外では、散歩していて転んだときに、落ちていた鋭利なもので、手や肘、ヒザやスネを切るということが考えられます。
子どもの切り傷は、多くが小さいものですが、大きさと危険度はまったく関係ありません、小さい傷だから放っておいていいということにもなりませんので注意が必要です。
基本的な手当て
切り傷の処置で大切なのは、まず止血と感染の防止です。ケガをしたら、いきなり消毒液や薬をつけてしまうのではなく、流水で傷口を洗ってください。ばい菌による感染防止対策にはこれが一番です。
また、血がこびり付いていたり、汚れが付いていると、不潔であるばかりか、傷の大きさや深さを知ることができません。洗ってきれいにすると、傷の大きさや程度が分かりますので、傷口の正確な情報が把握できます。
傷口をきれいにしたら止血をしましょう。手っ取り早いのは手で押えることです。滅菌ガーゼを当て、傷口を圧迫するようにばんそうこうで止めます(ガーゼは止血のときのみ使います)。
大きい傷・深い傷の場合
応急処置の方法としては同じですが、傷口が大きかったり、なかなか血が止まらない場合には止血しながら病院に連れていきます。
切り傷の怖いところは、深く切って組織を傷つけてしまうことです。神経を傷つければ感覚や運動に影響しますし、腱(けん)や関節を損傷すれば、やはり運動に問題が起きたり、成長発達に悪影響が出ることもあります。きちんと受診し、必要な処置を受けることが大事なのです。
なかなか痛みが治まらない場合
必要な手当てはしたはずなのに、なかなか痛みが治まらない様子だ・・・。なんとなく熱っぽい、腫れてきた・・・というときは、消毒が不十分で感染を起こしていたり、ガラスなどの破片が取りきれずに残っているなどの状態が考えられます。
末端の切断(指の切断)等
何らかの事故で手指や足指などが切断されてしまった場合、救急車を呼びつつ止血します。痛がる子どもを押えるのは大変ですが、切断部分のつけ根を圧迫し、滅菌ガーゼで押えます。切断された先端部分は、洗ったり消毒したりしないでそのままきれいなガーゼに包んで病院へ持っていきます。
包丁や大型のカッターなどは、子どもの手が触れないところに置き、固定できるものは固定しましょう。
以前、シュレッダーで子どもが指を切断した事故が相次ぎました。シュレッダーに巻き込まれては、組織の復元は難しくなります。こういったものは、子どもの目に触れないところに置き、電源はきちんと切るなどの配慮をしてください。