プール、おふろでおぼれた場合
浅い水でも注意が必要
赤ちゃんや幼児を預かる園では、プールやお風呂での事故にも気をつけます。園で使うプールのほとんどは、10数センチの浅い水やビニールプールだと思います。しかし、この程度なら特に問題ないだろうと高をくくるのは間違いです。赤ちゃんや幼児がうつぶせに転ぶと、2~3センチの水であっても鼻や口をふさがれて窒息するおそれがあります。1歳代の赤ちゃんであれば、水深10~20センチのプールでもおぼれてしまう可能性があるのです。
とにかく、水あそびや入浴する際、目を離さないことが大事です。また、プールや風呂の底がつるつるしていると足を踏ん張って立てないことがあるので、念のため底の部分にすべり止めをつけておくのが得策です。
水を大量に飲むとどうなる?
プールなどに入ったとき、赤ちゃんや幼児はおとなのようになるべく水を飲まないようにすることがまだできず、水を飲んでしまうことがよくあります。水を大量摂取すると、低ナトリウム血症という病的な状態に陥ります。人間の体は腎臓を通して水分を排出していきますが、一定時間に処理できる水分量には上限があり、それを超える量の水分を摂取してしまうと血液が極端に薄まってしまい、ひどいときには命にもかかわるような事態になってしまいます。現在、ベビースイミングでも赤ちゃんが水に入っている時間が制限されています。乳幼児のプールで大切なのは、事故が起きないための目配りと、適度な時間で切り上げることなのです。
子どもが水におぼれてしまったら
(1)水から上げましょう
頭を胸より下に下げた状態で水から上げます。
(2)意識を確認しましょう
まず声をかけて、反応があるかどうかを確かめましょう。反応が返ってくればまず安心です。片手で足の裏を軽くたたいてみて、まぶたや体が動けば、全く意識がないわけではありません。このとき、体を揺さぶったりしないように。反動で水を吐いてしまい、それが気道に入ることがあるので注意してください。
<意識があるとき>
濡れた衣類を脱がせて体を拭き、バスタオルや毛布で体をくるんで様子を見てあげてください。そして、そのままにせず、必ず病院で診察を受けさせてください。
<意識がないとき>
すぐに救急車を呼びましょう。車が来るまでの間、以下の蘇生法を実施します。
・気道を確保する
吐いたものが気道から肺に入ってしまうおそれがあるので、おなかを押して水を吐かせたりはしないようにしてください。
[1]横向きにして、口の中を指できれいにします。
[2]子どもの首は細いので、慎重にあごを上げさせます。
[3]子どものおでこに片手を当てて少し押し下げ、もう一方の手の指2本(乳児は1本)であごを軽く上げます。
このとき上げすぎると、逆に気道が詰まってしまうので注意してください。
・心臓マッサージと人工呼吸
心臓マッサージと人工呼吸を、自発呼吸が始まるまで行ないます。
(参照)
心肺停止、そのときの対処へ