虫に刺された場合
スズメバチなどハチのなかま
最近は住宅街でもスズメバチの巣が見つかり、駆除に苦心するようになりました。蚊に刺された程度であれば平気ですが、ハチ、スズメバチとなると問題です。ハチの中には毒針を相手に刺し、そのまま相手の体に自分の針を残していく種類がいます。ミツバチなどがこのタイプに該当します。これらは針に返しがついているため、いったん刺すと抜けなくなり、針は刺された側の体に残り続けて毒液を流し込みます。一方、スズメバチの針にはこのような仕掛けはありませんが、何度も刺すことが可能です。とても攻撃的なハチなので、下手に近づくとたいへん危険です。
ハチに刺されただけでは死なない
ハチに刺されると痛いのは当然ですが、ハチの毒が原因で死ぬことはありません。危険な状態になりやすいのは、一度にたくさんのハチに何度も刺されたときや、2回目に刺されたときです。特に2回目に刺されると、前回体内にできたハチ毒の抗体が過剰反応してしまい、「アナフィラキシー」というショック状態を引き起こしてしまう危険があります。ハチ毒によるショックは、全身に広がるじんましん、意識障害、腹痛、めまい、呼吸困難などの症状として表れます。
ハチに刺されたときは
<対処法>
(1)ハチに刺されたとき、針が皮膚に残っていることがあります。刺された患部をよく見て、針が残っていれば毛抜きを使うか、粘着テープを貼りつけて針ごと抜いてしまいます。いずれにしても直接指を使って抜かないようにしましょう。
(2)患部を流水で洗い、氷のうや濡れタオルで冷やしましょう。
(3)アンモニアなどをかけても毒が中和されることはありません。自己の判断で薬を使うことは避け、救急病院に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。
(4)1回目に刺されたときも適切な処置は必要ですが、2回目に刺されたときのほうが緊急を要します。1時間以内に毒をきちんと中和し、正しい治療を受けられるようにしましょう。
ドクガなどの毛虫は…
気候が暖かくなると、チャドクガなど、ドクガの幼虫が発生します。公園や遊歩道などにあるツバキやサザンカなどの樹木を好み、葉の裏に密集しているのをよく見かけます。ドクガは幼虫も成虫も毒をもっており、幼虫は刺激があると頭や体を振って毒のある毛をとばします。
ドクガの被害と症状
ドクガの毛に触れると、数時間後に発赤とともに激しいかゆみにおそわれます。何度も被害に遭うと、その度ごとに症状が重くなります。ドクガの毛はドクガが死んでいても毒をもっていますから、死骸があっても近づかないようにしましょう。
ドクガに刺されたときは
<対処法>
ドクガが発生してかぶれてしまった子どもがいたら、衣類に毒の毛がついているおそれがあるので、着ている洋服は全て着替えさせたほうがよいでしょう。気がついたら粘着テープで皮膚から毒のある毛を取り除き、流水でよく洗いましょう。
また、ドクガかどうかわからないこともありますので、薬は自己判断でつけないほうが安全です。蚊に刺されたときのかゆみ止めなどは、かえって悪化することもありますので、薬はつけず冷やしながら皮膚科を受診するようにしましょう。
ドクガに気づいたらすぐ駆除を
ドクガらしい毛虫に気づいたら、役所に連絡してすぐに駆除をお願いしましょう。殺虫剤は小さい子どもにあまりよくありません。いちばん効果的なのは、虫のついている枝をバーナーで焼くことです。