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令和5年(2023年)8月5日(土) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

令和5年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表

日本医師会定例記者会見 7月5日

令和5年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表

令和5年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表

 釜萢敏常任理事は、本年5月に日本医師会が実施した「令和5年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査」の結果を公表した。
 本調査は、医師会立の助産師・看護師・准看護師学校養成所における入学・卒業状況の把握を目的として毎年実施しているもので、今年度は対象とした299校全てから回答を得た。
 調査結果の主な概要は、以下のとおり。
【学校数】
 今年度募集を行った学校数は、准看護師課程137校、看護師2年課程56校、看護師3年課程73校、助産師課程4校である一方、募集停止は准看護師課程2校、看護師2年課程6校となっている。
【入学状況】
 准看護師課程の応募者数は平成30年度では約1万1000人だったが、今年度は約5000人と半分以下となり、更に入学者は約3748人と非常に厳しい状況にある。
 定員充足率を見てみると、いずれの課程も大きく低下し、准看護師課程では平均62・1%で近年で最も低く、90%以上の充足率を満たしているのは137校中23校のみで、ほとんどの学校で定員割れという非常に深刻な状況にある。
 また、看護師2年課程でも定員充足率は平均79・1%で、多くの学校で定員割れの状況となっている。
【卒業後の進路】
 准看護師課程の場合、医師会管内(設立母体の医師会管内の医療機関に就業した者)が24・5%、医師会管外(それ以外の県内の医療機関に就業した者)が16・3%、准看護師課程は、その性格上進学が多く、医療機関に就業しながらの進学も含めて、その割合は44・5%であった。
 また、看護師2年課程と3年課程では、8割以上が県内の就業となっており、医師会立学校養成所卒業者の県内就業率は高く、地域の看護職員の確保に非常に大きな役割を果たしている。
 釜萢常任理事は、定員充足率が大きく低下したことにより、特に准看課程や2年課程の学校では学校自体を維持することが危機的な状況であるとの認識を示し、「医師会が看護師等養成所を運営する理由は、地域の看護職員を確保するためであるが、もし地域に養成所が無くなってしまえば、地域外あるいは県外への人材の流出につながり、地元への定着が困難になる」と強調した。
 更に、「看護系大学の入学者は増えているものの、看護系大学の入学者と3年課程養成所の入学者の合計は5年前より減少している」とし、「新型コロナウイルス感染症により看護師の活躍が理解された一方、"危険、大変な仕事"というイメージから看護職を目指す人が減っているのではないか」と危惧。国や都道府県に対し、看護のやりがいや魅力を伝える積極的な広報に加え、奨学金等の充実など、危機感をもって支援をするよう求めた。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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