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令和元年(2019年)9月5日(木) / 日医ニュース

テレビを見ていて思ったこと。第2弾

 動物用の食品のコマーシャル映像やドラマの中で、犬や猫と一緒にベッドに入る(普段私が診察している患者の中にも10人ぐらいはいる)、口移しで餌を食べさせる(最近の私の患者ではアイスキャンデーを猫と一緒になめる)、ペットとキスをする等の場面によく出会う。
 私の診療所の待合室には、一年位前から『近すぎていませんか?ペットとの距離。』と書いた厚生労働省のチラシを貼っている。しかし、自院を訪れる人からの反応はなく、全くの無関心である。
 日医はワンヘルスという言葉を使い、日本獣医師会と共に国民への啓発を図っているが、残念ながら医師を含め、国民には伝わっていない状態である。
 振り返って私はどうかと申すと、日頃、感冒症状を訴えて来院した患者全員にペットを飼っているかと聞いているわけではない。また、人獣共通感染症を疑ったことは何回かあるが、診断したわけではない。ほとんど見落としていると思う。
 ある書籍によると、多くの人獣共通感染症の初期症状はインフルエンザ様であり、人から人への伝播も起きにくく単発的であるため、臨床診断が困難な場合が多いとのことである。
 診断において最も重要なことは、患者の疫学的背景、すなわち動物の直接的、間接的関与を知ることであると思う。
 例えば、パスツレラ症は口内常在菌としてイヌの約75%、ネコのほぼ100%が保有しているそうである。

(隠)

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