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平成30年(2018年)12月20日(木) / 南から北から

愛犬のダイエット顛末記

 わが家には8歳のトイプードルがいます。子犬の頃から散歩嫌いの食いしん坊で、必然的に肥満児となりました。わんちゃん一日ドックでも毎年"太り気味"を指摘されていましたが、健康面では問題なく、私自身、中年太りを克服できない負い目もあり、真剣にダイエットに取り組まずに来てしまいました。
 昨年のドック当日、朝から当人(当犬?)を動物病院に預けていましたが、昼頃に先生から電話がありました。すわ急病か、はたまた大病でも見つかったか?と緊張しましたが、「血漿が濁っていて高脂血症が疑われます。中性脂肪の検査を追加して良いですか?」というお話でした。
 緊急事態でないことに安堵(あんど)しましたが、追加検査の結果は先生の予想通りで、正常~133mg/dlのところ"500over"。ちょっと高いどころではなさそうで驚きました。
 全身疾患が原因となることもあるそうですが、日々の食事に思い当たるフシがあり、まずは運動と食事療法で様子をみることにしました。
 1日2食のうち、朝食はあまり食べず、ドッグフードを適量より少なめで済ませます。問題は夜で、母の手作りご飯にドッグフード、おやつ付きです。更に、食事している両親の間に座り込み、お裾分けをもらうのも日課です。手作り食は茄でたササミを使っても見向きもせず、脂の多い牛や豚料理が定番となっていました。
 急きょ、両親に肉料理は当面禁止、おやつ減量、ダイエット用ドッグフードへの切り替えを厳命し、「可哀想だ」「そんなことしたら痩せて死んでしまう」など予想以上の反発を受けながらも、協力してもらうことになりました。
 しかし、奢(おご)った口には食物繊維でカサ増ししたダイエット食など美味しいはずもなく、ほとんど口をつけませんでした。放っておけば諦めて食べますよ、という先生の助言を信じて様子を見ましたが、急な変化がストレスになったのか、今度は下痢が止まらなくなりました。
 そこで作戦変更し、ササミ料理は可、フードも好みのものに戻す代わりに、量を減らすことにしました。また、運動不足解消のため、父が毎日散歩に連れ出してくれ、初めは嫌がってほぼ抱っこだったのが、直に1キロメートル強のコースを歩いてくれるようになりました。
 そして2カ月後、体重200グラム減で臨んだ採血検査の結果は......518! まだまだ食べ過ぎとは思っていましたが、少しは下がっていると信じていたのでショックでした。もしや基礎疾患があるのではと心配になり、精密検査をお願いしましたが、幸いにもその他の異常はなく、純粋なメタボという太鼓判を押されただけでした。
 ワンコが自らの意志で減量に努めるはずもなく、可愛い顔で甘えられると両親は隠れて食べさせてしまうようです。一進一退のダイエット生活ですが、体重が少し落ち、ほとんどしなかった散歩の習慣が身についただけでも良かったと前向きに捉え、諦めずに頑張ります。

(一部省略)

秋田県 秋田医報 No.1533より

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