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平成28年(2016年)7月14日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

平成26・27年度医療安全対策委員会最終答申「医療事故調査制度において医師会が果たすべき役割」について

 今村定臣常任理事は、7月13日の定例記者会見で、医療安全対策委員会の最終答申が、6月22日、平松恵一委員長(広島県医師会会長)、上野道雄副委員長(福岡県医師会副会長)から横倉会長に提出されたことを報告し、その概要を説明した。

 今期の医療安全対策委員会は、会長諮問「医療事故調査制度における医師会の役割について」を受け、平成27年の4月に中間答申、8月に第2次中間答申を提出してきたが、今回その総まとめとして「最終答申」の形になったものである。

 内容は、(1)はじめに、(2)医療事故調査制度、(3)医療事故発生に際しての即時対応、(4) 初期対応、(5)院内事故調査委員会と報告書の作成、(6)遺族への説明、(7)院内事故調査制度を支える取り組み、(8)おわりに~今後の課題~―から構成されており、巻末資料として「医療事故発生時の調査の流れ」が添付されている。

 同常任理事は、まず、10月に事故調査制度が開始され、日医は医療安全調査機構からの委託を受けて、今年の1月から3月にかけて支援団体向け、医療機関向けの研修会を数多く行ってきたことを報告。その研修の土台となったのは先の中間答申であるが、院内事故調査とその支援のあり方についての基本的な考え方は最終答申においても変わっていないと説明した。その上で、今回の最終答申ではそれらの研修会から得られた経験、成果、また反省点をも踏まえて、院内調査委員会の流れ、報告書の作成などの部分が充実されているとした。

 「委員会の流れ」については、支援団体向け研修会で行った模擬の院内事故調査委員会では、必ずしも十分な審議が行われないという問題があったことから、限られた時間内に実りある審議をするために、院内事故調査委員会の審議に用いる資料は予め全委員に送付し、事案についての理解を深めてもらうことを提案しているとした。

 また、「報告書の作成」をする上では、論点整理が非常に重要であり、必要があれば当該医療機関の関係者等からの指摘でその整理された論点を修正することもあり得ることから、巻末資料に「修正論点整理」が新たに加えられたと解説した。

 更に、同常任理事は、今回の最終答申は、更なる検討、改善を行い、今後の研修会の実践的な教材として活用されることを念頭に置いてまとめられているとした上で、日医は支援団体として、また支援団体や医療機関に対して研修する立場としても、院内事故調査の手法、手順を蓄積して、支援の質を上げる努力を重ねていく必要があるとの認識を示すとともに、「本制度による事故調査の機会は医療者に与えられた権利と捉え、医療界全体の調査能力を向上させ、国民の信頼を高めることが本会に与えられた課題と考えている」と述べた。

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