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平成28年(2016年)6月5日(日) / 南から北から / 日医ニュース

障害児育児 徒然日記

 わが家には6歳と2歳の女の子がおり、次女がウエスト症候群持ちのダウン症という、いわゆる障害児です。障害児育児と聞くと大変なイメージを持たれるかも知れませんが、実際は意外と普通です(あくまでわが家の今のところですが)。自分自身、当初は果たしてうまく育てられるんだろうかとビビっていましたが、むしろ、背中にスイッチがあって布団に置けなかったり、3カ月で人見知りし始めた長女よりよっぽどラクです。
 ダウン症の次女はそもそもゆっくりマイペースに成長発達するのですが、加えてウエスト症候群を合併したためゆっくり度が更に増していて、突然何かができるようになった時は本当に驚きます。長女も一緒に大喜びして、「いっぱい練習すれば何でもできるようになるよ!」という名言まで残してくれました。まだまだできないことが多いし、一つ一つをクリアするのにやたら時間がかかりますが、彼女なりに何かを感じて学習している姿はなんとも健気です。
 普通ならあっという間に赤ちゃん終了になるところを、カワイイ盛りでずーっとキープしている次女。現在まだつたい歩きができる程度の彼女は体も小さいため、病院の待合などで「何カ月?」とか「1歳くらい?」なんて聞かれることが時々あります。以前は、本当のことを答えたら相手が困るかななどと考えサバ読みすることもありましたが、今はもう面倒になって正直に答えています。どんな反応をされるかと言いますと、案外「あら? そうなの?」で簡単に終わることが多いです。実際、これがベストな対応かも知れません。
 一度「え!?」とびっくりされたことがあり、想定内とは言え、やっぱり少し悲しくなりました。周りに障害者がいないとなかなか考えが及ばないかも知れませんが、例えば、そこそこ大きいのにベビーカーに乗っている子がいたら、それを親の過保護だと決めつける前に、もしかしたら歩けないのかも知れない、医学的に何か問題があるのかも知れない、と少し想像力をはたらかせるといいかなと思います。
 冒頭で障害児の子育ては普通、と書きましたが、通院や入院の多さはさすがに長女の時とは段違いです。生後1カ月の時からずっと何かしら内服もしています。最近は入院しなくなったし、てんかん発作もないし、状況としては一時期よりだいぶ落ち着いたのですが、リハビリを含め月2~4回の定期受診は安定して継続中です。受診にはいちいち時間が掛かるのでいつも半日仕事で、私のフルタイムの仕事復帰はまだ見送り中という現状です。
 朝起きた瞬間からニコニコしていていつも笑顔の次女は、保育園でも先生やお友だちから可愛がられています。保育園に迎えに行くと、お友だちから供えられたオモチャに囲まれていることもあります。彼女の醸(かも)し出すなんとも言えない雰囲気は、癒し効果絶大! 長女とけんかしてイライラしても、ニコニコ無邪気な次女を抱っこすれば自然とこちらも笑顔になります。
 将来のことを考えると不安は尽きませんが、可愛い笑顔がずっと続くことを第一に考えていこうと思っています。

(一部省略)

宮城県 遠田郡医師会報 第47号より

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