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平成28年(2016年)5月20日(金) / 日医ニュース

熊本地震に対するJMAT派遣体制の再構築を実施

熊本県医師会館で福田熊本県医師会長らと面談する横倉会長

熊本県医師会館で福田熊本県医師会長らと面談する横倉会長

 「平成28年熊本地震」が4月14日に発生して以来、日医では翌15日に「日本医師会災害対策本部」を会内に設置するなど、被災者健康支援連絡協議会の構成団体と共に、支援活動を続けている。
 JMATの派遣に関しては、4月16日の本震発生を受けて、JMATの派遣元となる医師会を全国の都道府県医師会に拡大することを決定。熊本を北(熊本市・上益城郡)と南(宇土市、宇城市、下益城郡)に分け、九州北部(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県)、中部、近畿、中国四国方面は北を、九州南部(宮崎県、鹿児島県、沖縄県)及び遠方の都道府県は南を、東京は全体を支援することを目安とし、熊本県医師会・九医連災害対策本部(長崎県)との調整の下、順次派遣を行ってきた。
 その後、4月28日には、熊本県医師会・九医連災害対策本部(長崎県医師会)と、熊本県内の医療支援の状況について協議を行い、今後は被災者の健康管理、感染症、高齢者等の慢性疾患やメンタルヘルス等への対応が特に重要になることを確認。加えて、被災地の医療機関の再開や避難所の縮小等を踏まえ、同一の被災地に継続派遣(交代しながら)できる場合を基本として、原則、現時点で派遣要請しているチームやその後継チームに医療支援をしてもらうよう派遣体制の再構築を行うこととした。
 その他、JMAT活動に関して、日医では被災地に向かわれる先生方に「医師資格証」を活用してもらえるように、JMAT専用の発行申請書と顔写真付き身分証明書の提出のみで「医師資格証」を簡易発行する、臨時措置を行うこととした(ただし、発行後6カ月以内に、所属郡市区医師会もしくは都道府県医師会で、医師免許証の原本の提示及び住民票の提出が必要)。
 一方、被災者健康支援連絡協議会は、地震発生後、これまでに2回、会議を開催(4月18・26日)。各団体からは、避難所生活の長期化等に伴う避難者の衛生面・精神面に対する懸念、大病院ばかりでなく、中小病院への支援が必要であること、また、病院施設だけでなく、学部や研究施設の被害状況の把握の必要性、支援者の宿泊施設の不足―などの指摘が出された。
 こうした状況を踏まえて、同協議会では、各団体が現地に派遣する支援チーム等から、被災地のニーズ等(不足物資、衛生環境、食生活・栄養摂取の状況、避難所を巡回・支援している役人の状況、その他避難所の課題、在宅での課題)に関する情報を適宜挙げてもらうことを決定。その内容を取りまとめた上で、各団体で情報を共有するとともに、国にその改善を要請していくこととした。
 なお、横倉義武会長は、4月29日に熊本県医師会館を訪問。福田稠熊本県医師会長らと面談し、今回の被害に対するお見舞いを述べるとともに、今後も日医として、被災地の医療提供体制の復興に向けた支援を行っていく考えを伝えた(写真)
 また、5月9日には九州各県とテレビ会議を実施し、被災県の状況把握に努めるとともに、JMAT派遣体制を継続することを確認した(次号で詳報予定)。

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