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平成28年(2016年)3月31日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

平成26・27年度勤務医の健康支援に関する検討委員会「医療勤務環境改善支援センターと連携した勤務医の健康支援の推進」答申について

 道永麻里常任理事は3月30日の定例記者会見で、勤務医の健康支援に関する検討委員会(委員長:保坂隆聖路加国際病院リエゾンセンター長)が、横倉義武会長からの諮問「医療勤務環境改善支援センターと連携した勤務医の健康支援の推進」について答申を取りまとめたとして、その概要を説明した。

 答申は2部構成となっており、第I部では、「本委員会の今期の取り組み」として、(1)勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査(勤務医1万人調査)、(2)医療勤務環境改善支援センター業務に関するアンケート調査―の結果が紹介されている。

 勤務状況については、「最近1ヶ月で休日なし」が、平成21年の8.7%から、5.9%と改善しており、健康状況も数値としては改善しているものの、中等度・重度以上の抑うつ症状が100人に10人に見られ、自殺を考えている勤務医も100人に1人いるとした。

 同委員会が作成した30項目の「医師の健康支援のための職場改善チェックリスト」から、「勤務医の健康支援のための15のアクション」として「診療補助者(医療クラーク)を導入し、医師は診療に専念する」「当直の翌日は休日とする」「予定手術前の当直・オンコールを免除する」など15項目を絞り込み、4つの指標(メンタルヘルス・自殺リスク・労働生産性・勤続意思)に及ぼす効果を検証したところ、有意な改善効果を示しているとした。

 医療勤務環境改善支援センターについては、昨年10月の時点で41の都道府県に設置されているが、労務管理と医業経営の2事業のワンストップ体制が十分に構築されていない点を指摘している。

 第II部では、「提言」として、(1)実行・解決するべき課題、(2)実行・解決の手段、(3)提言に向けて関係者がするべきこと―が整理されている。

 各医療機関に対しては、15のアクションの実行、医療勤務環境改善支援センターについては、同センターの広報、労務管理と医業経営の包括的連携や地域医療支援センター・ナースセンターとの連携、精神科との連携などを提案。

 実行・解決の手段として、「勤務医健康支援に関するワークショップの継続」や「中核人材の育成ワークショップの開催」など、地域レベルや全国レベルで取り組むべきことを記すとともに、関係者がするべきこととして、都道府県医師会には支援センターへの関与などを求め、厚生労働省には労務管理と医業経営の連携実務ガイドラインの作成や、地域医療支援センター・ナースセンター等との連携などの主導を提言している。

 なお、巻末には資料として、「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査報告書」「医療従事者の勤務環境改善に取り組む医療機関への支援体制の構築」「医療勤務環境改善支援センター業務に関するアンケート調査報告書」が添付されている。

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