あなたのため、そばにいる人のため 禁煙は愛

受動喫煙のリスク

誰かたばこ煙を
吸うだけで
喫煙者
同様リスクあります

  • 他人のたばこの煙を吸うだけで、
    喫煙者と同じ病気のリスクがある
  • たばこの煙は70種類以上の
    発がん性物質を含む
  • 分煙してもたばこの臭いを
    嗅いだだけで健康被害を受ける

喫煙者が吸い込む煙と
同じくらい
周囲の人が
吸い込む煙は有害です

たばこの煙には三大有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素の他にも70種類以上の発がん性物質が含まれています。普段たばこを吸わない人は、たばこの煙に対する感受性が高く、他人の煙を吸うと、少しの量でも大きな健康被害を受けるという報告があります7)。また、2016年8月には国立がん研究センターより、受動喫煙による日本人の肺がんリスクは約1.3倍になることが発表されるなど、受動喫煙のリスクは科学的にも証明されています8)

7)Barnoya J, et al. Circulation. 2005; 111: 2684-98.

8)Hori M, et al. Jpn J Clin Oncol. 2016; 46: 942-51.

たばこの
三大有害物質

  • ニコチン 依存症にさせる作用があります。血管を収縮させ、血液の流れを悪くする作用もあり、動脈硬化を促進させます。
  • タール たばこのヤニの成分。発がん性物質や発がんを促進する物質が数十種類以上含まれています。
  • 一酸化炭素 酸素を運ぶ機能を阻害し、酸素不足を引き起こします。動脈硬化を促進させます。

「たばこ臭がする」と
感じたら、
もう被害にあっています

飲食店などでは、分煙にするためガラスドアで仕切って密閉した喫煙室を設け、出入口にエアカーテンを設置している店がありますが、これでも煙を100%遮断することはできません9)

人が出入りする際には必ず、体にたばこの煙がまとわりついて移動し、有害物質を拡散させるからです。大げさではなく、服や髪の毛、カーテン、家具、壁などからたばこ臭を感じた時には、有害物質を体内に吸い込み、受動喫煙(二次喫煙)の被害にあっているのです。海外では受動喫煙防止条例の施行によって急性心筋梗塞の入院患者が減少したという事例も報告されています。
さらに、受動喫煙には、三次喫煙こと「サードハンド・スモーク(Third- Hand Smoke)」もあります。喫煙によって発生したたばこの煙は、家具や壁紙、カーテン、子どもの玩具、自動車の内装、エアコンシステムの表面に付着した後、徐々に空気中に再遊離します。
たばこの煙がない環境でも、たばこの臭いが僅かでも残っていると、たばこを吸わない人は、受動喫煙と同様にたばこ由来の有害物質にさらされていることになります。これがサードハンド・スモークです。

9)厚生労働省: たばこ規制枠組条約第2回締約国会議の概要

受動喫煙防止の取り組みに
より、
急性心筋梗塞の
入院患者が減った事例

米国モンタナ州ヘレナ市では、受動喫煙防止条例を施行後6ヵ月間で急性心筋梗塞の入院患者が40%減少。その後、条例が廃止されると入院患者が増大したとの調査結果があり、その後の多くの追試でも同様の結果が報告されている。

藤原久義, 他. 禁煙会誌. 2017; 8: 119-25.

加熱式たばこなら、大丈夫?
は誤解です

最近、煙が出ない新しいタイプのたばこが登場しています。その一つが加熱式たばこです。たばこの葉を電気で加熱して蒸気を発生させ、ニコチンを吸い込むものです。
たばこ会社は、発がん性物質や有害物質は紙巻きたばこより少なく、たばこ関連疾患のリスクを減らすとの研究論文を出しているところもありますが、米国FDAたばこ製品科学諮問委員会は、たばこ会社の主張を否定している他10)、2017年には加熱式たばこのフィルターから加熱時に有害化学物質が発生していることが報告されています11)
また、体への影響が少ないと思い、紙巻きたばこから禁煙目的で切り替える人もいますが、むしろ成功率は格段に低くなるという調査結果が出ていますし、若い人の中にはダイエットに有効と考えている人もいるようですが、注意が必要です12)

10) FOOD AND DRUG ADMINISTRATION. Meeting of the Tobacco Products Scientific Advisory Committee January 24-25,2018.
https://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/TobaccoProductsScientificAdvisoryCommittee/UCM599236.pdf(2018年11月19日接続)

11) Davis B, et al.:Tob Contol.2018 Mar 13. pii: tobaccocontrol-2017-054104. doi:10.1136/tobaccocontrol-2017-054104.

12) Int.J.Environ.Res.Public Health 2017,14(2) doi:10.3390/ijerph14020202

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