表紙ページ >> 突発的な事故・ケガに関する緊急時対応方法 >> その他:医師、病院との関係

医師、病院との関係 

万が一の想定が大事

 小さないたずらをしたり、興奮しすぎてトラブルが起きる、パニックを起こして収拾がつかなくなるなど、子どもは思いもかけないことをするものです。予想もできないできごとが起きるということは、事故につながる可能性が多分にあるということです。集団生活ではあらゆることを想定したうえで、子どもたちの安全を確保する必要があります。しかし万全を期したつもりでも、けがや事故が起きてしまうことがあります。そんな事態が起こったときでも適切な対応ができるように、日頃から医療施設や関係者と密に連絡を取り合うことが大事なのです。学校・園から最も近く、柔軟に対応してくれる小児科はどこなのか、外科や整形外科、眼科などの専門科はどこにあり、どう連絡を取るのか。緊急時に対応してくれる救急病院はどこかなど、ふだんから学校・園の関係者全員がきちんと把握しておく必要があります。
 また、緊急時にはだれがどのように動くといった、シミュレーションをしておくことがとても大事です。子どもが大けがをした場合、一刻を争う事態が想定されます。スタッフの一部しか理解しておらず、対応が遅れて取り返しのつかないことにならないように、ミーティングで定期的に確認し合ったり、新しく加わったスタッフにもきちんと伝達しておくことが大切なのです。1年に1度は救命救急の講習会などに参加し、勉強するのもいいでしょう。

校医・園医とのつながりをつくる

 園には園児たちの健康診断を行なったり、健康についての相談ができる園医がいます。校医・園医のほとんどは一般の開業医で、小児科医だと思います。子どものことはやはり小児科に任せるのが一番ですが、けがの内容によっては専門科の診察が必要となります。そんなときは小児科から適切な専門科を紹介してもらうのが最もよい方法です。幼稚園や認可を受けた保育園では、こういったことについての取り決めもきちんとなされています。しかし細かい取り決めがあっても、これらの人材を活用しきれないのであれば意味がありません。園の方針を伝え、また園医の考えかたを確認して、相互理解を深めておくことが大きな安心につながるのです。

夜間休日など時間外の診療は

 学校、幼稚園ではほとんど必要ないと思われますが、保育時間が長い保育園では、夜間や休日の緊急時にも備えておく必要があります。言うまでもありませんが、各自治体には夜間休日の診療システムがあるはずです。いざというときすぐに連絡できるように、電話の近くに連絡先を貼っておくといった、基本的な準備を抜かりなくしておきましょう。電話では、患者の年齢などひと通りのことをたずねられます。あわてず落ち着いて正確に伝えられるように、しっかりとした心構えが必要です。

災害時の対応もしっかり整えて

 けがは日常でも起こりえますが、災害時には特に大きなけがを負うことが予測されます。ふだんどんなに安全に過ごせていても、学校・園職員の真価が問われるのは緊急時なのかもしれません。

救命救急の講習会を受ける

 救命救急の方法は、これまでに少しずつ進歩を遂げてきました。平成18年からは新しい考え方にのっとった救命救急が行なわれています。各自治体にある消防団体では応急手当や救命救急の講習会を開いていて、都道府県の消防署では一般の人向けに講習会を開催しています。また団体で講習を受ける場合は、最寄りの消防署に申し込むこともできます。いちばん身近なけがに対する応急手当については、消防署で教えてもらうことができます。さらに深刻な事態に備えるために、普通救命講習、上級救命講習といったものも開催されています。講習会を受けた人が園のスタッフにいるととても心強いものです。
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